2011年1月26日 (水)

昔話が語る子どもの姿  小澤俊夫

昔話が語る子どもの姿  小澤俊夫

古今集  1998年9月15日第1刷発行
1890円  読書時間2時間


オザケン(小沢健二)の父にして、マエストロ小澤征爾の兄である
昔はなしの研究家小澤俊夫の著作。
古今東西の昔はなしを題材にした、教育論とも言えます。


”寝太郎”は一生寝ているわけではなく、チャンスは果敢にモノにする
と指摘するように、昔話は子供に人生訓を教えるもの。
その一方で、人間や運命の残酷さを教えるものでなければ
なりません。


昭和の中頃までは、農家なら庭先で鶏をしめるなど日常的で
それを目撃した都会の孫が、鶏肉を嫌いになる話しが
良くありました。
ところが、平成はパックの鶏肉か、シャカシャカチキンしか
ない時代。ゲームの中では、じゃんじゃん敵を殺しているのに
リアルな部分での想像力は、衰退をたどる一方です。


3匹の子豚の2匹目までは、狼に食べられなければならないし
カチカチ山のおじいさんは、タヌキに騙されて”ばあさん汁”
(これはスゴイ!)を食べなければならない。
残酷だと言って、これらを伝えないのは、結局子供のために
ならないのですね。


また、感心したのは、筆者の子供を全面的に肯定、信頼する姿勢。


ぼくはぼくなんだ!
わたしはわたしなんだ!
子どもが育つ間にはいろいろなことがあるのだから、比較したり
一喜一憂したりしないで、信頼して、ゆったり待っていようよ。
昔話はおとなに、そう語りかけていると思います。


最後に結んでいます。
また、一番してはいけないことは、”子どもを兄弟や他の子どもと
比較して評価すること”だそうです。


どこまでも自由なミュージシャン、小沢健二が生まれるためには
このような父親が必要だったということですね。


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